トレントで一度開示請求を受けた後にまた使ってしまった|再度の利用で何が変わるのか

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トレントで一度開示請求を受けた後にまた使ってしまった|再度の利用で何が変わるのか

トレントの著作権侵害で意見照会書や請求書が届き、「もう使わない」と決めたはずなのに、また使ってしまった。あるいは、1社目の対応中にまだ使い続けていた。再度の利用は法的にどう評価されるのか。1回目と比べて不利になるのか。率直に解説します。

「やめたはずなのに、また使ってしまった」

トレントの著作権侵害で書面が届いた方の中には、「怖くなってすぐにやめた」という方がいる一方で、「やめようと思ったがやめられなかった」「しばらくやめていたがまた使ってしまった」という方がいます。

このことを弁護士に話すのは気が引けるかもしれませんが、正直に伝えた方が対応方針を正確に検討できます。

弁護士は利用者の行為を道義的に非難するために話を聞いているのではなく、法的な対応方針を立てるために事実を把握する必要があるからです。

1. 再度の利用で何が変わるのか

請求対象の作品数が増える

再度トレントを利用すれば、新たなファイルを共有することになります。
権利者側の監視システムが新たなIPアドレスを記録していれば、追加の開示請求と損害賠償請求の対象になります。

1回目の書面で対象になっていた作品に加えて、2回目以降の利用で共有した作品についても請求が届く可能性があります。

送信可能な状態にしていた期間が延びる

損害額の算定では、利用者がファイルを送信可能な状態にしていた期間が重要な要素です。

1回目の書面が届いた後も利用を続けていた場合、送信可能な期間は「最初のダウンロードから最後の利用まで」に延びます。
期間が延びれば、その間のダウンロード回数の認定も増え、損害額が大きくなる傾向があります。

新たな権利者からの請求が届く可能性が高まる

再度の利用で、1回目の利用時には共有していなかった権利者の作品をダウンロードしてしまえば、その権利者からも別途請求が届くことがあります。

1社で済んでいたはずが、2社、3社と増える可能性があります。

2. 1回目と比べて法的に不利になるか

損害額の算定方法自体は変わらない

再度の利用であっても、損害額の算定方法は1回目と同じです。
著作権法第114条に基づき、ダウンロード回数と1ダウンロードあたりの利益額で算定されます。

「再犯だから加重される」という法的な仕組みはありません。

ただし、損害額の合計は増える

算定方法は同じでも、対象作品が増え、送信可能期間が延びれば、損害額の合計は1回目だけの場合よりも大きくなります。

和解交渉や裁判での印象

法律上の加重はなくても、権利者側との交渉や裁判において、1回目の書面が届いた後も利用を続けていたという事実は、利用者側にとって有利な事情にはなりません。

「書面が届いた時点で侵害を認識していたにもかかわらず利用を続けた」と評価されれば、過失ではなく故意による侵害と主張される余地が生じます。

3. 刑事告訴のリスクへの影響

再度の利用は刑事リスクを高める要素

1回目の利用については、「トレントの仕組みを知らなかった」「アップロードする意図はなかった」という事情が、刑事における故意の立証を困難にする要素として働きます。

しかし、1回目の書面が届いた後に再度利用した場合は、「著作権侵害になることを知っていたにもかかわらず、再び利用した」と評価されるおそれがあります。

この場合、故意が認定されやすくなり、刑事告訴のリスクは1回目よりも高くなる可能性があります。

弁護士による対応の重要性がさらに高まる

再度の利用がある場合こそ、弁護士に正直に事実を伝え、刑事告訴の回避を含めた対応方針を検討することが重要です。

当事務所では、権利者側に対し刑事告訴を行わないよう交渉する方針を一貫してとっており、介入後に刑事事件として立件された案件は一度もありません。

4. 対応中に使い続けていた場合

1社目の対応中にまだ使っていた

1社目の書面が届いて弁護士に依頼したが、その後もトレントの利用をやめていなかった場合、弁護士が権利者側と対応している間に新たな侵害が発生しています。

この場合、弁護士に正直に伝えてください。
利用を続けていた事実を隠したまま対応を進めると、後から追加の請求が届いた際に弁護士が対応方針を誤るリスクがあります。

まず利用を停止する

まだトレントのソフトを起動しているのであれば、今すぐ停止してください。
自動起動設定も解除してください。

利用を続ければ続けるほど、送信可能期間が延び、対象作品が増え、損害額の合計と刑事リスクの両方が高まります。

5. 再度の利用があっても損害額は争える

争えるが、全体の額は増える

再度の利用があっても、損害額の主張立証は1回目と同じように行えます。

当事務所では、著作権法第114条に基づき、作品の正規価格、ダウンロード回数、アップロードによる拡散可能性(共有比率や経過日数等)を踏まえた具体的な反論を行っています。
その結果、これまで取り扱った案件ではいずれも当事務所の主張する計算方法が裁判所に採用され、数万円から十数万円程度にまで減額された解決に至っています。

もっとも、こうした反論が裁判所に採用されるかは、主張立証の具体性と精度に左右されます。

ただし、対象作品数と送信可能期間が増えている分、全体の損害額は1回目だけの場合よりも高くなることがあります。

だからこそ、今すぐ利用を停止すべき

利用を停止した日が、送信可能期間の終点になります。
今日停止すれば、今日以降のダウンロード回数は損害額の基礎に含まれなくなります。

1日でも早く停止することが、損害額を抑えるための最も確実な方法です。

6. 弁護士に正直に伝えるべき理由

隠しても対応方針の質が下がるだけ

再度の利用があったことを弁護士に隠す方がいます。

しかし、弁護士に正確な事実を伝えなければ、対応方針が不正確になります。
「1回だけの利用」を前提に方針を立てた後で、追加の請求が届いたり、権利者側から「書面送付後も利用を継続していた」という主張が出たりすると、方針の立て直しが必要になります。

弁護士は道義的な非難をするために聞いているのではない

弁護士が事実を確認するのは、法的な対応方針を立てるためです。

「また使ってしまったんですか」と責めるためではなく、その事実を踏まえて最善の対応を検討するために聞いています。

恥ずかしくても、正直に伝えた方が結果は良くなります。

まとめ

トレントで一度開示請求を受けた後に再度利用してしまった場合、1回目よりも状況は不利になります。

請求対象の作品数が増え、送信可能期間が延び、損害額の合計が大きくなります。
「書面を受け取った後も利用を続けた」という事実は、故意の認定につながる可能性があり、刑事告訴のリスクも高まります。
損害額の算定方法自体は変わらず、主張立証は行えますが、全体の額は増えることがあります。
まだ利用を続けているのであれば、今すぐ停止してください。
弁護士に事実を正直に伝え、再度の利用を踏まえた対応方針を検討してください。

再度の利用があったとしても、弁護士に相談して対応することで、状況を最小限に抑えることができます。

よくある質問

1回目の書面が届いた後にまた使ってしまいました。もう手遅れですか。
手遅れではありません。ただし、今すぐ利用を停止してください。利用を続ければ状況は悪化します。弁護士に正直に事実を伝え、対応方針を検討してください。

再度の利用で損害額は増えますか。
対象作品が増え、送信可能期間が延びれば、損害額の合計は大きくなることがあります。ただし、損害額の算定方法自体は変わらず、主張立証は行えます。

再度の利用で逮捕されますか。
1回目よりも刑事リスクは高まる可能性がありますが、弁護士が対応している状態で直ちに逮捕されるとは考えにくいです。当事務所では、介入後に刑事事件として立件された案件は一度もありません。

弁護士に再度の利用を正直に話すべきですか。
話すべきです。正確な事実を伝えなければ、対応方針が不正確になります。弁護士は道義的に非難するためではなく、法的な対応を検討するために事実を確認しています。

今も使っています。すぐにやめるべきですか。
今すぐやめてください。利用を続ければ、対象作品、送信可能期間、損害額、刑事リスクのすべてが増大します。ソフトをアンインストールし、自動起動設定も解除してください。

お問い合わせ
あいち岡崎法律事務所
〒444-0864 愛知県岡崎市明大寺町字的場13-1 My Station Okazaki East 601
0564-73-3487
050-3172-6485
平日9:00〜17:00
名鉄東岡崎駅南口徒歩30秒

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