トレントの著作権侵害で弁護士に依頼した後はどう進むのか|依頼から解決までの具体的な流れ
トレントの著作権侵害で「弁護士に相談しよう」と思っても、「依頼したら何が起きるのか」「自分は何をしなければならないのか」が分からなければ、踏み切れないのは当然です。依頼した後の具体的な流れを知っておけば、不安は軽くなります。弁護士に依頼してから解決に至るまでの流れを、依頼者の目線で解説します。
依頼した後、自分がやることは多くない
最初にお伝えしておきたいのは、弁護士に依頼した後、依頼者ご本人がやることはそれほど多くないということです。
権利者側とのやり取り、書面の作成、裁判への出頭は、すべて弁護士が対応します。
依頼者は、弁護士からの連絡に対応し、必要な情報を提供していただければ足ります。
「依頼したら大変なことが始まるのではないか」と不安に感じる方もいますが、むしろ依頼した後の方が精神的な負担は軽くなります。
1. 相談から依頼まで
初回相談
まず、現在の状況を弁護士に伝えます。
届いている書面の内容。
トレントの利用時期や利用状況。
これまでに自分で行った対応(意見照会書への回答、権利者側への連絡、支払いの有無等)。
弁護士は、この情報をもとに、今後の見通しと対応方針の選択肢を説明します。
依頼の決定
相談の結果を踏まえて、依頼するかどうかを判断します。
その場で即決する必要はありません。
持ち帰って検討していただいて構いません。
2. 依頼直後――受任通知の送付
弁護士が最初に行うこと
依頼が決まったら、弁護士はまず権利者側の代理人に受任通知を送付します。
受任通知とは、「この件について弁護士が代理人として就任した。以後の連絡はすべて弁護士宛てに行ってほしい」と伝える書面です。
受任通知が届けば、自宅への書面は止まる
受任通知が権利者側に届いた後は、権利者側からの書面や電話はすべて弁護士宛てになります。
自宅に書面が届くことはなくなります。
同居のご家族に知られたくない方にとって、これが依頼の最も大きな効果の一つです。
依頼者がやること
この段階で依頼者がやることは、届いている書面を弁護士に渡すことと、トレントの利用状況に関する情報を弁護士に伝えることです。
3. 状況の把握と方針の決定
弁護士が行うこと
弁護士は、届いている書面の内容、権利者側の代理人事務所、対象作品の数、提示額などを整理し、次の点を検討します。
権利者側の提示額が、裁判で認められる損害賠償金額と比べてどうなのか。
今後、別の権利者から追加の請求が届く可能性があるか。
裁判で争った場合の見通し。
刑事告訴のリスクへの対応。
方針の選択肢を依頼者に説明する
弁護士は、検討結果をもとに、取り得る対応方針の選択肢を依頼者に説明します。
対応方針は事案によって異なりますが、裁判で争って適正な損害賠償金額で解決することを当事務所では基本方針としています。
最終的な方針は、弁護士の説明を聞いたうえで依頼者が判断します。
依頼者がやること
弁護士からの説明を聞き、方針について判断していただきます。
不明な点があれば、遠慮なく質問してください。
4. 権利者側との対応
裁判で争う場合
権利者側が訴訟を提起した場合、または依頼者側から債務不存在確認訴訟を提起する場合は、裁判手続に入ります。
答弁書・準備書面の作成は弁護士が行います。
証拠の整理も弁護士が行います。
期日への出頭も弁護士が行います。
依頼者ご本人が裁判所に行く必要は基本的にありません。
裁判の進行状況は、弁護士から随時報告します。
期日のたびに「次はどうなったか」をご連絡します。
裁判中に和解が成立する場合
裁判の途中で、裁判所から和解が提案されることがあります。
和解案の内容について弁護士から説明し、応じるかどうかを依頼者に判断していただきます。
弁護士が勝手に和解に応じることはありません。
判決の場合
和解が成立しなければ、裁判所が判決を言い渡します。
判決の内容について弁護士から説明し、控訴するかどうかを含めて今後の対応を検討します。
依頼者がやること
裁判期間中、依頼者にお願いすることは次の程度です。
弁護士からの連絡に対応すること。
追加で必要な情報や資料があれば提供すること。
和解案や判決について、弁護士の説明を聞いて判断すること。
日常生活を変える必要はありません。
5. 追加の請求が届いた場合
別の権利者からの請求
1社目の対応中に、別の権利者から2社目の請求が届くことがあります。
弁護士に依頼済みであれば、2社目の請求についても弁護士が窓口になります。
依頼者が慌てて対応する必要はなく、弁護士に連絡してください。
当事務所の料金体系
当事務所では、何社から請求が来ても、何件訴訟になっても上限が定まっている料金体系を採用しています。
追加の請求が届くたびに弁護士費用が際限なく増えるということはありません。
6. 解決
解決の形
解決の形は事案によって異なりますが、主に次のいずれかになります。
裁判所の判決により損害賠償金額が確定し、確定額を支払って解決。
裁判の途中で和解が成立し、和解金額を支払って解決。
権利者側が請求を取り下げて解決。
解決後
解決後は、弁護士から依頼者に解決の報告を行います。
今後の注意点(トレントを使わないこと、同じ権利者からの追加請求の可能性等)があれば、あわせて説明します。
7. 刑事告訴への対応
裁判と並行して行う
損害額の主張立証と、刑事告訴の回避交渉は、並行して行います。
当事務所では、権利者側に対し刑事告訴を行わないよう交渉する方針を一貫してとっており、介入後に刑事事件として立件された案件は一度もありません。
8. 当事務所の主張立証
当事務所では、著作権法第114条に基づき、作品の正規価格、ダウンロード回数、アップロードによる拡散可能性(共有比率や経過日数等)を踏まえた具体的な反論を行っています。
その結果、これまで取り扱った案件ではいずれも当事務所の主張する計算方法が裁判所に採用され、数万円から十数万円程度にまで減額された解決に至っています。
もっとも、こうした反論が裁判所に採用されるかは、主張立証の具体性と精度に左右されます。
まとめ
弁護士に依頼した後の流れは、次のとおりです。
依頼直後に受任通知を送付し、自宅への書面を止めます。
弁護士が状況を把握し、対応方針の選択肢を依頼者に説明します。
裁判で争う場合、書面の作成・証拠の整理・期日への出頭はすべて弁護士が行います。
依頼者ご本人が裁判所に行く必要は基本的にありません。
裁判の進行状況は弁護士から随時報告します。
和解するか判決を求めるかは、弁護士の説明を聞いたうえで依頼者が判断します。
追加の請求が届いた場合も、弁護士が窓口になって対応します。
依頼後に依頼者がやることは、弁護士からの連絡に対応し、必要な情報を提供することが中心です。
日常生活を変える必要はありません。
「依頼したら何が起きるか分からない」という不安が、相談をためらう原因になっているのであれば、まずは相談してみてください。
よくある質問
弁護士に依頼したら自分は何をすればよいですか。
届いている書面を弁護士に渡し、利用状況に関する情報を伝えてください。その後は弁護士からの連絡に対応していただくだけです。日常生活を変える必要はありません。
依頼したら裁判所に行かなければなりませんか。
基本的に行く必要はありません。答弁書・準備書面の作成、期日への出頭はすべて弁護士が行います。
依頼してからどのくらいで解決しますか。
事案によりますが、弁護士に依頼してから解決まで、半年から1年半程度かかることが多いです。受任通知の送付は依頼後すぐに行います。
依頼中に別の権利者から追加の請求が届いたらどうなりますか。
弁護士が窓口になって対応します。当事務所では、何社から請求が来ても上限が定まっている料金体系を採用しています。
依頼した後、弁護士とはどうやり取りしますか。
電話、メール、来所いずれでも対応可能です。裁判の進行状況は弁護士から随時ご報告します。
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