トレントを利用していた当時の住所から引っ越した|書面が届かないリスクと対応

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トレントを利用していた当時の住所から引っ越した|書面が届かないリスクと対応

トレントの著作権侵害で発信者情報が開示される場合、プロバイダから権利者側に渡るのは、プロバイダに登録されていた契約者の住所です。トレントを利用していた当時から引っ越している場合、書面が旧住所に届いて受け取れなかったり、転送されて同居人に見られたり、訴状を受け取れず欠席判決になるリスクがあります。引っ越し済みの場合に起こり得る問題と対応を解説します。

開示される住所は「当時の住所」

プロバイダが権利者側に開示する契約者情報には、氏名と住所が含まれます。

この住所は、プロバイダとの契約に登録されていた住所です。
引っ越し後にプロバイダの登録住所を変更していれば、現在の住所が開示されます。
変更していなければ、旧住所が開示されます。

また、引っ越しに伴いプロバイダを解約している場合は、解約時に登録されていた住所(旧住所)が開示される可能性があります。

1. 旧住所に書面が届く場合の問題

書面を受け取れない

権利者側は、開示された住所に損害賠償請求の書面を送付します。
その住所にもう住んでいなければ、書面を受け取ることができません。

受け取れなかった場合でも、権利者側の手続は止まりません。
「届いていないから対応しなくてよい」ということにはなりません。

旧住所の現在の住人に届く

旧住所に別の人が住んでいる場合、その人が書面を受け取る可能性があります。

書面の内容から「トレントの著作権侵害」「損害賠償」といった情報が読み取れれば、旧住所の住人や旧住所の管理者にその情報が伝わることになります。

郵便の転送で届く場合

郵便局に転居届を出していれば、旧住所宛ての郵便物が新住所に転送されます。
転送期間は届出から1年間です。

転送期間内であれば書面を受け取ることができますが、転送期間を過ぎていれば受け取れません。

2. 訴状が届かない場合のリスク

訴状は特別送達で届く

権利者側が訴訟を提起した場合、裁判所から訴状が特別送達で届きます。
特別送達は、宛先に届けて受領印を受け取る方法であり、ポストに投函するだけでは完了しません。

旧住所に誰も住んでいなければ、特別送達は届きません。

付郵便送達や公示送達

特別送達が届かない場合、裁判所は「付郵便送達」(書留郵便で送付し、発送時点で送達があったものとみなす方法)や「公示送達」(裁判所の掲示板に掲示することで送達があったものとみなす方法)を行うことがあります。

付郵便送達や公示送達が行われた場合、実際に書面を受け取っていなくても、法律上は送達が完了したことになります。

つまり、訴状を受け取っていないのに、知らないうちに裁判が進み、欠席判決が出される可能性があるということです。

欠席判決で請求額がそのまま認容される

訴状を受け取れず、答弁書も提出できなければ、欠席判決で権利者側の請求額がそのまま認容されるおそれがあります。

弁護士が対応していれば大幅に減額できたはずの損害賠償金額が、欠席判決では権利者側の言い値で確定してしまうということです。

3. 引っ越し済みの場合にすべきこと

プロバイダの登録住所を確認する

現在もプロバイダとの契約が続いている場合は、登録住所が現在の住所に変更されているかを確認してください。

変更されていなければ、現在の住所に変更しておくことで、意見照会書が現在の住所に届くようになります。

郵便の転送が有効か確認する

郵便局への転居届を出してから1年以内であれば、旧住所宛ての郵便物は新住所に転送されます。

転送期間が切れている場合は、書面が届かないリスクがあります。

弁護士に依頼して窓口を切り替える

引っ越し済みの場合に最も確実な対応は、弁護士に依頼して連絡窓口を切り替えることです。

弁護士に依頼すれば、権利者側に受任通知を送付し、以後の連絡はすべて弁護士宛てになります。
旧住所にも新住所にも書面が届くリスクがなくなります。

意見照会書の段階で気づいた場合

プロバイダからの意見照会書が転送で届いた場合は、まだ権利者側に住所は渡っていない(または渡っていても旧住所のみ)段階です。

この段階で弁護士に依頼して窓口を切り替えれば、権利者側からの書面が自宅に届くこと自体を回避できます。

すでに権利者側から書面が届いている場合

権利者側からの損害賠償請求書が旧住所に届き、転送で受け取った場合は、まだ対応可能です。

しかし、旧住所に届いて受け取れなかった場合は、権利者側の手続が進んでいる可能性があります。
トレントを利用していた事実に心当たりがあり、引っ越し後に何の書面も届いていない場合でも、弁護士に相談して現状を確認しておくことが安全です。

4. 引っ越し先を権利者側に知られたくない場合

住民票の移動で追跡される可能性

権利者側が訴訟を提起する際、旧住所で訴状が届かなければ、住民票の附票などから現在の住所を調べて送達を試みることがあります。

住民票を移動していれば、現在の住所が権利者側に知られる可能性があります。

弁護士を窓口にすれば住所を知られるリスクを減らせる

弁護士に依頼して受任通知を送付すれば、権利者側との連絡はすべて弁護士が窓口になります。

権利者側が現在の住所を調べようとする動機は、書面を届けるためです。
弁護士が窓口になっていれば、権利者側が現在の住所を調べる必要性が低くなります。

5. 損害額はどの住所でも争える

引っ越しの有無にかかわらず、損害額の主張立証は同じように行えます。

当事務所では、著作権法第114条に基づき、作品の正規価格、ダウンロード回数、アップロードによる拡散可能性(共有比率や経過日数等)を踏まえた具体的な反論を行っています。
その結果、これまで取り扱った案件ではいずれも当事務所の主張する計算方法が裁判所に採用され、数万円から十数万円程度にまで減額された解決に至っています。

もっとも、こうした反論が裁判所に採用されるかは、主張立証の具体性と精度に左右されます。

当事務所では、権利者側に対し刑事告訴を行わないよう交渉する方針を一貫してとっており、介入後に刑事事件として立件された案件は一度もありません。

まとめ

トレントを利用していた当時の住所から引っ越している場合、書面が届かないことで対応が遅れるリスクがあります。

プロバイダの登録住所が旧住所のままであれば、意見照会書や開示後の通知が旧住所に届きます。
権利者側からの書面も旧住所に届き、受け取れない可能性があります。
訴状が届かず、知らないうちに欠席判決が出されるリスクがあります。
郵便の転送期間(1年間)が切れていると、書面を受け取る手段がなくなります。
弁護士に依頼して窓口を切り替えれば、住所に関わらず対応が可能です。

引っ越し済みの方は、弁護士に依頼して連絡窓口を切り替えることが最も確実な対応です。

よくある質問

引っ越したので書面は届きませんか。
郵便の転送期間内であれば転送で届きますが、転送期間が切れていれば届きません。届かない場合でも、権利者側の手続は進みます。

書面を受け取れなかったらどうなりますか。
訴状が届かなかった場合、付郵便送達や公示送達が行われ、実際に受け取っていなくても法律上は送達が完了したことになります。欠席判決で請求額がそのまま認容されるリスクがあります。

引っ越し先を権利者側に知られたくありません。
弁護士に依頼して窓口を切り替えれば、権利者側との連絡はすべて弁護士宛てになり、現在の住所を知られるリスクを減らせます。

プロバイダを解約して引っ越しました。もう大丈夫ですか。
大丈夫とは限りません。解約時の登録住所が開示される可能性があり、旧住所宛てに書面が届くことがあります。引っ越し後にプロバイダを解約していても、開示請求の対象になることがあります。

引っ越し済みでも弁護士に依頼できますか。
依頼できます。引っ越しの有無にかかわらず、弁護士に依頼して対応することは可能です。

お問い合わせ
あいち岡崎法律事務所
〒444-0864 愛知県岡崎市明大寺町字的場13-1 My Station Okazaki East 601
0564-73-3487
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平日9:00〜17:00
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