トレントを賃貸マンションの共有Wi-Fiで使っていた場合|回線の契約者が自分でないときに何が起きるか

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トレントを賃貸マンションの共有Wi-Fiで使っていた場合|回線の契約者が自分でないときに何が起きるか

トレントの著作権侵害でプロバイダから書面が届くのは、インターネット回線の契約者です。しかし、賃貸マンションに備え付けのインターネット回線や、マンション全体で共有しているWi-Fiを使っていた場合、回線の契約者は自分ではなく、管理会社やオーナーであることがあります。この場合、開示請求はどうなるのか。自分に請求が届くのか。対応はどう変わるのかを解説します。

賃貸マンションのインターネット回線は誰の契約か

賃貸マンションのインターネット回線には、大きく分けて2つのパターンがあります。

入居者が個別にプロバイダと契約している場合。
マンション全体で一括契約しており、入居者は備え付けの回線を利用している場合。

前者であれば、回線の契約者は入居者本人であり、通常の開示請求と同じ流れになります。

問題は後者です。
マンション全体で一括契約している場合、回線の契約者は管理会社やオーナーであり、入居者の個人名での契約ではありません。

1. 一括契約の場合、開示請求は誰に届くのか

プロバイダが把握しているのは契約者情報

権利者側がIPアドレスをもとにプロバイダに開示請求を行った場合、プロバイダが開示できるのは、そのIPアドレスを割り当てていた回線の契約者の情報です。

マンション一括契約の場合、契約者は管理会社やオーナーであるため、プロバイダから開示されるのは管理会社やオーナーの情報です。

入居者個人の氏名・住所は、プロバイダの段階では開示されません。

管理会社やオーナーに書面が届く可能性がある

プロバイダからの意見照会書や、権利者側からの通知が、管理会社やオーナー宛てに届くことがあります。

管理会社やオーナーは、自分がトレントを利用したわけではないため困惑しますが、権利者側からは「この回線から著作権侵害が行われた」という通知を受けることになります。

2. 管理会社やオーナーを経由して入居者が特定されるか

管理会社が入居者を特定する可能性

管理会社やオーナーが権利者側からの通知を受けた場合、マンション内のどの部屋からのアクセスかを調査することがあります。

マンションのネットワーク構成によっては、各部屋に個別のIPアドレスが割り当てられている場合と、マンション全体で共有のIPアドレスを使用している場合があります。

個別のIPアドレスが割り当てられている場合は、管理会社がどの部屋の入居者かを特定できることがあります。
共有IPアドレスの場合は、どの部屋からのアクセスかを特定することが困難な場合があります。

管理会社から入居者に連絡が来ることがある

管理会社が入居者を特定した場合、管理会社から入居者に対して「著作権侵害に関する通知が届いている」と連絡が来ることがあります。

管理会社が権利者側に入居者の情報を提供するかどうかは、管理会社の判断によります。

3. 自分で契約していない回線でも損害賠償を請求されるのか

回線の契約者でなくても、実際の利用者は責任を負う

損害賠償請求は、回線の契約者ではなく、著作権侵害を行った実際の利用者に対して行われます。

回線の契約者が管理会社であっても、実際にトレントを利用して著作権侵害を行ったのが入居者であれば、入居者が損害賠償責任を負います。

権利者側が入居者を特定できれば、入居者に対して直接損害賠償を請求してくることがあります。

管理会社やオーナーが責任を問われることは基本的にない

マンションのインターネット回線を提供しているだけの管理会社やオーナーが、入居者のトレント利用について損害賠償責任を負うことは基本的にありません。

ただし、管理会社が権利者側からの通知を受けて、入居者に対応を求めてくることはあります。

4. 管理会社やオーナーに知られるリスク

回線の一括契約の場合、管理会社に知られる可能性が高い

自分で契約している回線であれば、弁護士に依頼して窓口を切り替えることで、家族以外に知られるリスクを抑えられます。

しかし、マンション一括契約の場合は、プロバイダからの通知が管理会社やオーナー宛てに届くため、管理会社に知られるリスクがあります。

賃貸借契約上の問題

マンションの賃貸借契約や入居規約に、「インターネット回線を違法な目的で使用してはならない」といった条項が含まれていることがあります。

著作権侵害に該当するトレントの利用がこの条項に違反すると判断された場合、管理会社から注意を受けたり、契約違反を理由に退去を求められる可能性もゼロではありません。

ただし、直ちに退去を求められるケースは多くなく、個別の事情によります。

5. フリーWi-Fiやネットカフェで利用していた場合

フリーWi-Fiの場合

カフェや商業施設のフリーWi-Fiでトレントを利用していた場合、IPアドレスはその施設のものになります。

施設側が利用者を個別に特定できるかどうかは、施設のネットワーク管理の状況によります。
利用時に認証(メールアドレスの入力等)が求められるフリーWi-Fiであれば、利用者が特定される可能性があります。

ネットカフェの場合

ネットカフェでトレントを利用していた場合、会員登録や入店時の本人確認を通じて利用者が特定される可能性があります。

6. この状況ですべきこと

弁護士に早めに相談する

賃貸マンションの共有回線でトレントを利用していた場合、通常の開示請求とは異なる経路で問題が発覚することがあります。

管理会社から連絡が来た場合や、権利者側から直接書面が届いた場合は、弁護士に相談して対応方針を整理してください。

管理会社に自分から申告すべきかは慎重に判断する

管理会社にまだ知られていない段階で、自分から申告すべきかどうかは、事案の状況によります。
弁護士に相談して判断してください。

損害額は争える

賃貸マンションの共有回線で利用していた場合でも、損害額の主張立証は通常の場合と同じように行えます。

当事務所では、著作権法第114条に基づき、作品の正規価格、ダウンロード回数、アップロードによる拡散可能性(共有比率や経過日数等)を踏まえた具体的な反論を行っています。
その結果、これまで取り扱った案件ではいずれも当事務所の主張する計算方法が裁判所に採用され、数万円から十数万円程度にまで減額された解決に至っています。

もっとも、こうした反論が裁判所に採用されるかは、主張立証の具体性と精度に左右されます。

当事務所では、権利者側に対し刑事告訴を行わないよう交渉する方針を一貫してとっており、介入後に刑事事件として立件された案件は一度もありません。

まとめ

賃貸マンションの共有Wi-Fiや一括契約のインターネット回線でトレントを利用していた場合、通常とは異なる経路で問題が発覚することがあります。

回線の契約者が管理会社やオーナーの場合、プロバイダからの通知は管理会社宛てに届きます。
管理会社がどの部屋の入居者かを特定し、入居者に連絡してくることがあります。
回線の契約者でなくても、実際にトレントを利用した入居者が損害賠償責任を負います。
管理会社に知られた場合、賃貸借契約上の問題が生じることもあり得ます。
損害額の主張立証は通常の場合と同じように行えます。

管理会社から連絡が来た場合や、権利者側から直接書面が届いた場合は、弁護士に相談して対応方針を判断してください。

よくある質問

マンションの無料インターネットを使っていましたが、自分に請求が届きますか。
権利者側が入居者を特定できれば、直接請求が届くことがあります。管理会社を経由して特定されることもあります。

管理会社に知られますか。
マンション一括契約の場合、プロバイダからの通知が管理会社宛てに届く可能性があるため、管理会社に知られるリスクがあります。

管理会社に知られたら退去させられますか。
直ちに退去を求められるケースは多くありませんが、賃貸借契約や入居規約の内容によっては、契約違反を理由に問題となる可能性があります。

共有回線でも損害額は争えますか。
争えます。回線の種類にかかわらず、著作権法第114条に基づく損害額の主張立証は同じように行えます。

フリーWi-Fiでトレントを使っていた場合、特定されますか。
利用時に認証が求められるフリーWi-Fiであれば、利用者が特定される可能性があります。認証がない場合でも、他の情報から特定される可能性はゼロではありません。

お問い合わせ
あいち岡崎法律事務所
〒444-0864 愛知県岡崎市明大寺町字的場13-1 My Station Okazaki East 601
0564-73-3487
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平日9:00〜17:00
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