トレントで届く書面の種類と見分け方|テレサ書式か開示命令申立済みか、書面ごとの意味と緊急度

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トレントで届く書面の種類と見分け方|テレサ書式か開示命令申立済みか、書面ごとの意味と緊急度

トレントの著作権侵害に関してさまざまな書面が届きますが、「この書面は何を意味しているのか」「どの程度急いで対応すべきなのか」が分からず混乱する方がほとんどです。届く書面はすべて同じではなく、手続の段階ごとに種類が異なります。テレサ書式による任意の開示請求なのか、開示命令が申立済みなのか、損害賠償請求なのか。書面の見分け方と、それぞれの段階ですべきことを解説します。

届く書面は段階によって異なる

トレントの著作権侵害に関する書面は、大きく分けて次の4つの段階で届きます。

プロバイダからの意見照会書(開示請求の段階)。
プロバイダからの開示命令通知書(開示命令が出た段階)。
権利者側の代理人弁護士からの損害賠償請求書(請求の段階)。
裁判所からの訴状(訴訟の段階)。

どの書面が届いたかによって、現在の状況と今後の展開が異なります。
まず、手元に届いた書面がどの段階のものかを確認してください。

1. プロバイダからの意見照会書――テレサ書式か開示命令申立済みか

意見照会書が届くのは開示請求の段階

プロバイダ(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク等)から届く「発信者情報開示に係る意見照会書」は、権利者側がプロバイダに対して発信者情報の開示を請求し、プロバイダが契約者に「開示に同意するか不同意か」を確認するための書面です。

この段階では、まだ権利者側に個人情報は渡っていない(またはこれから渡るかどうかが決まる)状態です。

テレサ書式による任意の開示請求か、開示命令の申立てか

意見照会書が届いた場合、テレコムサービス協会書式(テレサ書式)による任意の開示請求なのか、裁判所への開示命令の申立てに基づくものなのかによって、対応の意味が変わります。

見分け方は次のとおりです。

テレサ書式による任意の開示請求の場合は、裁判所名や「申立書」「発信者情報開示命令事件」といった記載がなく、プロバイダが独自のフォーマットで送付していることが多いです。添付資料にも「甲●号証」といった裁判手続特有の番号は振られていません。

開示命令の申立てに基づく場合は、裁判所宛の「申立書」が添付されていたり、書面に裁判所名や「発信者情報開示命令事件」という記載があります。添付資料に「甲●号証」という番号が振られていることもあります。プロバイダ側に代理人弁護士がついている場合(たとえばソフトバンクの代理人としてTMI総合法律事務所の名前がある場合)も、開示命令の申立てがなされている可能性が高いです。

テレサ書式の場合

テレサ書式による任意の開示請求の場合、不同意で回答すれば、プロバイダが任意に開示しない可能性があります。

ただし、その後権利者側が裁判所に開示命令を申し立てれば、裁判所の判断で開示が認められることがあります。

開示命令申立済みの場合

すでに裁判所への開示命令の申立てがなされている場合、不同意で回答しても裁判所の判断で開示が認められることがあります。

不同意の回答は、開示を阻止する決定打にはなりにくい段階です。

いずれの場合も弁護士に相談すべき

テレサ書式か開示命令申立済みかの見分けがつかない場合は、書面をそのまま弁護士に見せて確認してください。

2. プロバイダからの開示命令通知書――すでに開示が決まっている段階

ソフトバンクの場合、意見照会書が届かないことがある

ソフトバンクでは、契約者に意見照会書を送付せずに手続を進め、裁判所の開示命令が出た段階で初めて「開示命令が発令された旨の通知書」を送付することがあります。

この場合、意見照会書の段階で同意・不同意を回答する機会がないまま、開示が決まった段階から対応を始めることになります。

通知書には開示命令の決定書と申立書が添付されている

通知書には、裁判所が発令した開示命令の決定書と、権利者側が提出した開示命令の申立書が添付されていることがあります。

申立書には、対象動画ごとに数十件のIPアドレスが一覧で記載されていることがありますが、この一覧は対象ファイルを共有していた利用者全員のIPアドレスであり、自分に関係するのはそのうちのごく一部です。

この段階での対応

開示命令の通知書が届いた場合は、速やかに弁護士に相談してください。

弁護士に依頼すれば、権利者側への受任通知を送付し、以後の連絡窓口を弁護士に切り替えることができます。
開示命令が出た後であっても、損害額の主張立証は問題なく行えます。

3. 権利者側の代理人弁護士からの損害賠償請求書――請求の段階

開示後に届く書面

発信者情報が開示された後、権利者側の代理人弁護士から損害賠償請求の書面が届きます。

この書面には、対象作品、請求金額、回答期限、和解案(個別和解や包括和解)、刑事告訴に関する記載などが含まれていることがあります。

差出人を確認する

書面の差出人が、権利者側の代理人弁護士事務所であることを確認してください。

ITJ法律事務所、窪田総合法律事務所など、権利者側の代理人として知られている事務所の名前が記載されていることがあります。

回答期限について

書面には回答期限が設定されていますが、権利者側が一方的に設定したものであり、法律で決められた期限ではありません。

期限を過ぎたからといって直ちに訴訟が提起されるとは限りませんが、放置し続けることにはリスクがあります。

この段階での対応

提示された金額をそのまま支払わず、弁護士に相談して、裁判で争った場合の見通しを確認してから対応方針を判断してください。

4. 裁判所からの訴状――訴訟の段階

裁判所から届く書面は、これまでの書面とは性質が異なる

裁判所からの訴状は、特別送達という方法で届きます。
封筒に裁判所名が記載されており、受取人の署名が必要です。

プロバイダや権利者側の代理人からの書面は、普通郵便や特定記録郵便で届くことが多いのに対し、裁判所からの特別送達は外観から裁判関係の書面であることが明らかです。

訴状が届いた場合の緊急度は高い

訴状が届いた場合、答弁書の提出期限と第1回口頭弁論期日が指定されています。

答弁書を提出せず期日にも出頭しなければ、欠席判決で権利者側の請求がそのまま認容されるおそれがあります。

訴状が届いた場合は、これまでの書面とは異なり、期限内に対応する必要があります。
直ちに弁護士に相談してください。

訴状が届いた段階でも損害額は争える

訴訟を提起されたからといって、権利者側の請求額がそのまま認められるわけではありません。

弁護士に依頼して答弁書・準備書面を提出し、損害額の主張立証を行えば、大幅に減額される可能性があります。

5. 書面ごとの緊急度の整理

意見照会書(テレサ書式・任意の開示請求)

回答期限はおおむね2週間程度。
多少の遅れは大きな問題にはなりにくい。
弁護士に相談して回答内容を検討する時間はある。

意見照会書(開示命令申立済み)

回答期限はおおむね2週間程度。
不同意で回答しても開示される可能性が高い。
弁護士に相談して対応方針を検討すべき。

開示命令通知書

すでに開示が決まっている段階。
権利者側からの請求書が届く前に弁護士に依頼して窓口を切り替えることが望ましい。

損害賠償請求書

回答期限は権利者側が設定したものであり、法律で決められた期限ではない。
ただし、放置し続ければ訴訟のリスクが高まる。
弁護士に相談して見通しを確認すべき。

訴状

答弁書の提出期限と口頭弁論期日が裁判所によって指定されている。
期限内に対応しなければ欠席判決のリスクがある。
直ちに弁護士に相談すべき。

6. 損害額はどの段階でも争える

どの段階の書面が届いた場合でも、損害額の主張立証は行えます。

当事務所では、著作権法第114条に基づき、作品の正規価格、ダウンロード回数、アップロードによる拡散可能性(共有比率や経過日数等)を踏まえた具体的な反論を行っています。
その結果、これまで取り扱った案件ではいずれも当事務所の主張する計算方法が裁判所に採用され、数万円から十数万円程度にまで減額された解決に至っています。

もっとも、こうした反論が裁判所に採用されるかは、主張立証の具体性と精度に左右されます。

当事務所では、権利者側に対し刑事告訴を行わないよう交渉する方針を一貫してとっており、介入後に刑事事件として立件された案件は一度もありません。

まとめ

トレントの著作権侵害で届く書面は、手続の段階ごとに種類が異なります。

意見照会書は、テレサ書式による任意の開示請求か、開示命令の申立てに基づくものかで対応が変わります。裁判所名や「申立書」の添付、「甲●号証」の番号、プロバイダ側の代理人弁護士の有無で見分けられます。
開示命令通知書が届いた場合は、すでに開示が決まっている段階です。
損害賠償請求書は、権利者側が設定した期限であり、法律で決められた期限ではありません。
訴状が届いた場合は、期限内に対応しなければ欠席判決のリスクがあり、緊急度が高いです。
どの段階の書面が届いても、損害額の主張立証は行えます。

届いた書面がどの段階のものか分からない場合は、書面をそのまま弁護士に見せて確認してください。

よくある質問

届いた書面がテレサ書式か開示命令申立済みか分かりません。
裁判所名や「申立書」の添付、「甲●号証」の番号、プロバイダ側の代理人弁護士の記載があれば、開示命令の申立てに基づく可能性が高いです。判断がつかなければ弁護士に書面を見せてください。

意見照会書と損害賠償請求書の違いは何ですか。
意見照会書はプロバイダから届くもので、開示に同意するかどうかを聞いています。損害賠償請求書は権利者側の代理人弁護士から届くもので、損害賠償金額を請求しています。手続の段階が異なります。

裁判所から書面が届きました。すぐに何かしなければなりませんか。
裁判所からの訴状には答弁書の提出期限と口頭弁論期日が指定されています。期限内に対応しなければ欠席判決のリスクがあるため、直ちに弁護士に相談してください。

どの段階の書面が届いても損害額は争えますか。
争えます。意見照会書の段階でも、損害賠償請求書が届いた段階でも、訴状が届いた段階でも、損害額の主張立証は行えます。

複数の書面が同時に届きました。どれから対応すべきですか。
裁判所からの訴状が含まれていれば、それが最も緊急度が高いです。弁護士に全ての書面を見せて、対応の優先順位を確認してください。

お問い合わせ
あいち岡崎法律事務所
〒444-0864 愛知県岡崎市明大寺町字的場13-1 My Station Okazaki East 601
0564-73-3487
050-3172-6485
平日9:00〜17:00
名鉄東岡崎駅南口徒歩30秒

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