海外赴任中・海外在住中にトレントの書面が日本の自宅に届いた|日本にいなくても対応は必要か

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海外赴任中・海外在住中にトレントの書面が日本の自宅に届いた|日本にいなくても対応は必要か

日本でトレントを使っていた後、海外赴任や留学、海外移住で日本を離れた。その後、日本の自宅や実家に、プロバイダからの意見照会書や権利者側からの損害賠償請求書が届いたと家族から連絡があった。日本にいないのだから関係ないのではないか、帰国するまで放っておけばよいのではないか。海外にいる場合の注意点と対応を解説します。

日本を離れても手続は止まらない

プロバイダや権利者側が書面を送るのは、プロバイダに登録されている契約者の住所です。

日本の自宅の回線を解約せずに家族が使い続けている場合や、解約していても登録住所が日本の自宅や実家のままである場合は、その住所に書面が届きます。

契約者本人が海外にいるかどうかは、権利者側の手続に影響しません。
海外にいる間も、開示請求や損害賠償請求の手続は進みます。

1. 海外にいる場合に起きやすい問題

家族が書面を受け取る

本人が海外にいる間に日本の自宅や実家に届いた書面は、家族が受け取ることになります。

封筒にプロバイダ名や法律事務所名が記載されていれば、家族が中身を確認することもあります。
本人がいない状態で家族が内容を知り、動揺して権利者側に電話したり、提示額を立て替えて支払ったりしてしまうことがあります。

書面の内容を本人が把握するまでに時間がかかる

家族から連絡を受けても、書面の原本は日本にあります。
写真で送ってもらっても、細かい記載を正確に読み取れないことがあります。

本人が内容を把握し、対応を考えるまでに時間がかかり、回答期限を過ぎてしまうことがあります。

誰も受け取らない

日本の自宅が空き家になっていたり、郵便の転送期間が過ぎていたりすると、書面を誰も受け取らないまま時間が過ぎることがあります。

本人は書面が届いていること自体を知らないまま、権利者側の手続が進んでいく可能性があります。

2. 訴訟を起こされた場合の注意点

訴状の送達

権利者側が訴訟を提起した場合、裁判所は被告に訴状を送達します。

被告が海外に住んでいることが分かっている場合、外国への送達という手続がとられることがあり、送達までに長い期間がかかることがあります。

住所が分からない場合は公示送達のおそれ

権利者側や裁判所が被告の現在の住所を把握できない場合、公示送達という方法がとられることがあります。

公示送達は、裁判所の掲示板に書類を掲示することで、送達があったものとみなす手続です。
本人が実際に訴状を受け取っていなくても、法律上は送達が完了したことになります。

この場合、本人が知らないうちに裁判が進み、欠席判決で権利者側の請求額がそのまま認められてしまうおそれがあります。

どこの裁判所になるか

被告が日本国内に住所を持っていない場合でも、日本国内の最後の住所地などを基準に、日本の裁判所で訴訟が行われることがあります。

海外にいるから日本の裁判の対象にならない、ということはありません。

3. 帰国後に起きること

判決が確定していれば強制執行の対象になる

海外にいる間に欠席判決が確定していた場合、帰国後に日本国内の財産が強制執行の対象になることがあります。

日本の銀行口座の預金。
日本の勤務先から支払われる給与。
日本国内の不動産。

海外赴任中であっても、給与を日本の会社から受け取っている場合は、その給与が差押えの対象になる可能性があります。
差押えが行われれば、勤務先に知られることになります。

帰国してから対応しようとしても手遅れになっていることがある

「帰国してから落ち着いて対応しよう」と考えていても、その間に判決が確定していれば、損害額を争う機会はすでに失われています。

弁護士が対応していれば数万円から十数万円程度で解決できたかもしれない問題が、権利者側の言い値のまま確定してしまうということです。

4. 海外にいながら対応する方法

日本の弁護士に依頼できる

海外にいても、日本の弁護士に依頼して対応を任せることができます。

相談は、メールや電話、ウェブ会議で行えます。
委任状などの必要書類は、郵送や電子的な方法でやり取りできます。

依頼者が日本に帰国したり、事務所に来所したりする必要は基本的にありません。

弁護士が窓口になれば書面は日本の自宅に届かなくなる

弁護士に依頼して権利者側に受任通知を送付すれば、以後の連絡はすべて弁護士宛てになります。

日本の自宅や実家に書面が届くことがなくなり、家族が受け取って動揺することも防げます。

訴訟になっても弁護士が対応する

訴訟を起こされた場合でも、答弁書の作成、期日への出頭はすべて弁護士が行います。

弁護士が代理人として対応していれば、欠席判決になることはありません。

5. 家族にお願いしておくこと

海外にいる間に日本の自宅や実家に書面が届いた場合に備えて、家族に次のことをお願いしておくと安心です。

プロバイダ、法律事務所、裁判所からの郵便物が届いたら、すぐに連絡してもらう。
書面の写真を撮って送ってもらう。
権利者側に電話をしたり、返事をしたりしないでもらう。
提示された金額を立て替えて支払わないでもらう。
書面の原本と封筒は捨てずに保管してもらう。

特に、家族が良かれと思って権利者側に連絡したり、支払ったりしてしまうと、後から取り返すことは困難です。

6. 損害額は争える

海外にいる場合でも、損害額の主張立証は日本にいる場合と同じように行えます。

当事務所では、著作権法第114条に基づき、作品の正規価格、ダウンロード回数、アップロードによる拡散可能性(共有比率や経過日数等)を踏まえた具体的な反論を行っています。
その結果、これまで取り扱った案件ではいずれも当事務所の主張する計算方法が裁判所に採用され、数万円から十数万円程度にまで減額された解決に至っています。

もっとも、こうした反論が裁判所に採用されるかは、主張立証の具体性と精度に左右されます。

日本を離れる前にトレントの利用をやめていた場合は、利用をやめた時期が送信可能期間の終点になり、損害額の算定で利用者側に有利に働くことがあります。
出国日や、パソコンを日本に置いていったかどうかなどの事情も、弁護士に伝えてください。

当事務所では、権利者側に対し刑事告訴を行わないよう交渉する方針を一貫してとっており、介入後に刑事事件として立件された案件は一度もありません。

まとめ

海外赴任中や海外在住中であっても、日本の自宅や実家に届いたトレントの書面への対応は必要です。

書面はプロバイダに登録された日本の住所に届き、本人が海外にいても手続は進みます。
家族が書面を受け取って動揺し、権利者側に連絡したり、立て替えて支払ったりしてしまうことがあります。
訴訟を起こされた場合、住所が分からなければ公示送達となり、知らないうちに欠席判決が出るおそれがあります。
判決が確定すれば、帰国後に日本の預金や給与が差押えの対象になることがあります。
海外にいながら日本の弁護士に依頼し、メールやウェブ会議で対応を進めることができます。
弁護士が窓口になれば、日本の自宅に書面が届くことはなくなります。

帰国するまで待つのではなく、書面が届いたと分かった段階で、海外から弁護士に相談してください。

よくある質問

海外にいるので、帰国するまで放っておいてもよいですか。
放っておくと、その間に訴訟が進み、欠席判決が確定してしまうおそれがあります。書面が届いたと分かった段階で、弁護士に相談してください。

海外からでも日本の弁護士に依頼できますか。
依頼できます。相談はメール、電話、ウェブ会議で行えます。依頼者が帰国したり来所したりする必要は基本的にありません。

日本の家族が書面を受け取りました。家族はどうすればよいですか。
書面の写真を本人に送り、原本と封筒を保管してもらってください。権利者側に連絡したり、立て替えて支払ったりしないようにお願いしてください。

海外に住んでいても日本で裁判を起こされますか。
起こされることがあります。日本国内の最後の住所地などを基準に、日本の裁判所で訴訟が行われることがあります。

帰国したら給料を差し押さえられることはありますか。
海外にいる間に判決が確定していれば、帰国後に日本の預金や給与が差押えの対象になることがあります。日本の会社から給与を受け取っている場合は、海外赴任中でも対象になる可能性があります。

お問い合わせ
あいち岡崎法律事務所
〒444-0864 愛知県岡崎市明大寺町字的場13-1 My Station Okazaki East 601
0564-73-3487
050-3172-6485
平日9:00〜17:00
名鉄東岡崎駅南口徒歩30秒

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