赤れんが法律事務所からトレントの著作権侵害で書面が届いた|請求の特徴と対応の考え方
トレントの著作権侵害で「弁護士法人赤れんが法律事務所」の名前が記載された書面が届いた方へ。赤れんが法律事務所は、トレントの著作権侵害事案で権利者側の代理人を務めている事務所の一つです。他の代理人事務所とは和解の方式に違いがあるとされています。この事務所からの請求にどう対応すべきかを解説します。
赤れんが法律事務所とは
弁護士法人赤れんが法律事務所は、トレントの著作権侵害について、AV制作会社の代理人として発信者情報の開示請求や損害賠償請求を行っている事務所の一つです。
トレントの著作権侵害事案で権利者側の代理人として知られている主な事務所には、ITJ法律事務所、窪田総合法律事務所、赤れんが法律事務所、オルビス東京事務所があります。
赤れんが法律事務所はこの中でも独自の特徴を持っています。
1. 赤れんが法律事務所の請求の特徴
包括的示談のみが提示されることがある
ITJ法律事務所や八重洲コモンズ法律事務所では、個別和解(1作品ごとの和解)と包括和解(全作品を対象とした和解)の2つの選択肢が提示されることがあります。
一方、赤れんが法律事務所の場合は、個別和解の選択肢がなく、包括的示談のみが提示されるケースがあるとされています。
つまり、「この1作品についてだけ和解したい」という選択ができず、「全作品まとめて和解するか、和解しないか」の判断を求められることがあります。
包括的示談の金額
包括的示談として提示される金額は、事案や時期によって異なります。
他の代理人事務所の包括和解と同様に、この金額が裁判で認められる損害賠償金額と比べて適正かどうかは、個別に検証する必要があります。
個別和解ができないことの影響
個別和解の選択肢がない場合、利用者側の判断は「包括的示談の金額で和解するか、裁判で争うか」の二択になりやすいです。
「1作品分だけ少額で和解して様子を見る」という段階的な対応が取りにくいということです。
2. 赤れんが法律事務所の提示額は適正か
裁判所が認める損害賠償金額との比較
赤れんが法律事務所から提示された金額が適正かどうかは、他の代理人事務所からの請求と同様に、裁判で認められる損害賠償金額と比較して判断する必要があります。
裁判例では、1人あたり数万円程度しか認容されなかった事案があります。
知財高裁令和4年4月20日判決では、1人あたり約1万6,000円から6万円台が認容されました。
東京地裁令和5年8月31日判決では、権利者が278万円を超える損害を主張したのに対し、裁判所が認めた金額は3万円を超えない水準にとどまりました。
提示された包括的示談の金額が、裁判で認められる損害賠償金額の合計を大幅に上回っているのであれば、そのまま応じることが合理的とはいえません。
包括的示談だからといって「お得」とは限らない
包括的示談は「全作品まとめて定額で解決できる」という点で、一見お得に見えます。
しかし、全作品の損害賠償金額の合計が裁判で争えば数万円から十数万円程度にとどまるのであれば、包括的示談の方が高くつくことがあります。
3. 赤れんが法律事務所からの請求にどう対応すべきか
包括的示談に即答しない
書面が届いて回答期限が設定されていても、その場で包括的示談に応じる必要はありません。
回答期限は権利者側が一方的に設定したものであり、法律で決められた期限ではありません。
裁判で争った場合の見通しを確認する
包括的示談に応じるかどうかの判断は、裁判で争った場合の損害賠償金額の見通しと比較して行うべきです。
弁護士に相談すれば、提示された金額が裁判で認められる金額と比べてどうなのかを確認できます。
包括的示談のみの提示でも裁判で争える
「包括的示談しか選択肢がない」と言われても、それは権利者側が提示する選択肢の話です。
利用者側には、「包括的示談に応じない」「裁判で争う」という選択肢があります。
包括的示談しか提示されないからといって、それに応じなければならないわけではありません。
4. 赤れんが法律事務所と他の事務所の違い
ITJ法律事務所との違い
ITJ法律事務所は個別和解と包括和解の2択を提示し、減額交渉に応じないと公表しています。
赤れんが法律事務所は包括的示談のみを提示するケースがあるとされています。
いずれの場合も、提示額は権利者側の設定額であり、裁判所が認める金額ではありません。
窪田総合法律事務所との違い
窪田総合法律事務所は「最後通告書」というタイトルで、短い回答期限と刑事告訴の予告を含む書面を送付することがあります。
赤れんが法律事務所の書面の形式やトーンは、これとは異なることがあります。
代理人事務所が違っても、裁判での争い方は同じ
どの代理人事務所からの請求であっても、裁判で争った場合、裁判所は著作権法第114条に基づいて損害賠償金額を算定します。
この算定は代理人事務所がどこかによって変わるものではありません。
5. 赤れんが法律事務所が代理する権利者からの追加請求
同じ事務所から別の権利者の案件で追加請求が来る可能性
赤れんが法律事務所が複数の制作会社の代理人を務めている場合、A社の案件で書面が届いた後に、B社の案件でも同じ赤れんが法律事務所から書面が届くことがあり得ます。
他の事務所からの追加請求もあり得る
赤れんが法律事務所との間で和解が成立しても、ITJ法律事務所や窪田総合法律事務所など、別の代理人事務所が代理する別の権利者から追加の請求が届くことがあります。
1社目に応じた金額と、今後届く可能性のある追加請求の金額を含めた全体の見通しを弁護士に確認してください。
6. 損害額は争える
赤れんが法律事務所からの請求であっても、損害額の主張立証は他の事務所からの請求と同じように行えます。
当事務所では、著作権法第114条に基づき、作品の正規価格、ダウンロード回数、アップロードによる拡散可能性(共有比率や経過日数等)を踏まえた具体的な反論を行っています。
その結果、これまで取り扱った案件ではいずれも当事務所の主張する計算方法が裁判所に採用され、数万円から十数万円程度にまで減額された解決に至っています。
もっとも、こうした反論が裁判所に採用されるかは、主張立証の具体性と精度に左右されます。
当事務所では、権利者側に対し刑事告訴を行わないよう交渉する方針を一貫してとっており、介入後に刑事事件として立件された案件は一度もありません。
まとめ
赤れんが法律事務所からトレントの著作権侵害で書面が届いた場合、提示された包括的示談にそのまま応じる前に確認すべきことがあります。
赤れんが法律事務所は包括的示談のみを提示するケースがあり、個別和解の選択肢がないことがあります。
包括的示談の金額が裁判で認められる損害賠償金額と比べて適正かどうかを検証する必要があります。
包括的示談のみの提示であっても、裁判で争うという選択肢は利用者側にあります。
代理人事務所がどこであっても、裁判所が著作権法第114条に基づいて算定する損害賠償金額は変わりません。
当事務所では、これまで取り扱った案件ではいずれも数万円から十数万円程度にまで減額された解決に至っています。
書面が届いた段階で弁護士に相談し、裁判で争った場合の見通しを確認したうえで対応方針を判断してください。
よくある質問
赤れんが法律事務所からの請求はITJ法律事務所と何が違いますか。
ITJ法律事務所は個別和解と包括和解の2択を提示しますが、赤れんが法律事務所は包括的示談のみを提示するケースがあります。いずれの場合も提示額は権利者側の設定額であり、裁判所が認める金額ではありません。
包括的示談しか選択肢がないと言われました。応じるしかないですか。
応じる義務はありません。利用者側には「裁判で争う」という選択肢があります。包括的示談の金額が裁判で認められる損害賠償金額を大幅に上回っているのであれば、裁判で争う方が合理的な場合があります。
赤れんが法律事務所の提示額は高すぎますか。
裁判例との比較が必要です。裁判例では1人あたり数万円程度しか認容されなかった事案があり、提示額との間に大きな開きがある可能性があります。弁護士に見通しを確認してください。
赤れんが法律事務所と和解すれば他の請求は来ませんか。
赤れんが法律事務所が代理する権利者の作品については清算されますが、別の代理人事務所が代理する別の権利者からの追加請求は対象外です。
交渉で金額を下げてもらえますか。
赤れんが法律事務所が個別の条件交渉に応じるかどうかは事案によります。交渉で下がらない場合は、裁判で争って裁判所に適正な損害賠償金額を認定してもらうことが現実的な選択肢です。
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