トレントの著作権侵害で裁判所から訴状が届いた|答弁書の期限が迫っている場合に今すぐすべきこと

目次

トレントの著作権侵害で裁判所から訴状が届いた|答弁書の期限が迫っている場合に今すぐすべきこと

トレントの著作権侵害で、権利者側からの書面ではなく裁判所から訴状が届いた。封筒に裁判所の名前が書いてあり、「口頭弁論期日呼出状」が入っている。これまでの書面とは明らかに違うと分かる。訴状が届いた場合は、これまでの書面と異なり、期限内に対応しなければ取り返しのつかない結果になることがあります。今すぐすべきことを解説します。

訴状が届いたということは、裁判が始まっている

権利者側の代理人弁護士からの書面やプロバイダからの意見照会書は、裁判の前段階の手続です。

訴状が届いたということは、権利者側がすでに裁判所に訴訟を提起し、裁判が始まったということです。

これまでの書面とは緊急度が全く異なります。

1. 訴状と一緒に届いているもの

確認すべき書類

訴状と一緒に、次の書類が届いているはずです。

口頭弁論期日呼出状:第1回口頭弁論の期日(日時と裁判所の場所)が記載されています。
答弁書の提出期限:「〇月〇日までに答弁書を提出してください」と記載されています。
訴状の副本:権利者側が裁判所に提出した訴状の写しです。請求金額と請求の根拠が記載されています。
証拠説明書と証拠の写し:権利者側が提出した証拠が添付されていることがあります。
答弁書の書式:裁判所が用意した答弁書の書式が同封されていることがあります。

すべて保管する

届いた書類は1枚も捨てず、すべて保管してください。
封筒も保管してください。

2. 今すぐ確認すべき2つの日付

答弁書の提出期限

訴状と一緒に届いた書面に、答弁書の提出期限が記載されています。

この期限は、これまでの書面に書かれていた「回答期限」とは性質が異なります。
これまでの回答期限は権利者側が一方的に設定したものでしたが、答弁書の提出期限は裁判所が設定した期限です。

第1回口頭弁論の期日

口頭弁論期日呼出状に、第1回口頭弁論の日時と場所が記載されています。

この期日に出頭せず、答弁書も提出しなければ、欠席判決が出される可能性があります。

この2つの日付をすぐに確認してください

答弁書の提出期限まで残り何日あるか。
第1回口頭弁論の期日はいつか。

残り日数が少なければ、対応は一刻を争います。

3. 答弁書を出さないとどうなるのか

欠席判決のリスク

答弁書を提出せず、第1回口頭弁論の期日にも出頭しなければ、裁判所は権利者側の主張をそのまま認める判決(欠席判決)を出すことがあります。

欠席判決では、権利者側が請求している金額がそのまま認容されるおそれがあります。

弁護士が対応していれば数万円から十数万円程度にまで減額できたかもしれない損害賠償金額が、欠席判決では44万円や88万円のまま確定してしまうということです。

欠席判決は一度出ると覆すのが極めて困難

欠席判決が確定してしまうと、後から「実はもっと安いはずだった」と主張しても、判決を覆すことは極めて困難です。

控訴期間(判決送達から2週間)内に控訴しなければ、判決は確定します。

確定した判決は、給与差押えなどの強制執行の根拠になります。

つまり、答弁書を出すかどうかが最大の分岐点

答弁書を出せば、裁判の中で損害額を争う機会が得られます。
答弁書を出さなければ、その機会を失い、権利者側の言い値で判決が確定するリスクがあります。

4. 今すぐすべきこと

弁護士に直ちに連絡する

訴状が届いたら、他の何よりも先に弁護士に連絡してください。

答弁書の提出期限が迫っている場合は、電話で連絡してください。
メールでは対応が間に合わないことがあります。

届いた書類一式を弁護士に見せて、対応方針を検討してください。

弁護士に依頼すれば答弁書の作成から期日出頭まですべて対応してもらえる

弁護士に依頼すれば、答弁書の作成、証拠の整理、期日への出頭をすべて弁護士が対応します。

依頼者ご本人が裁判所に行く必要は基本的にありません。

答弁書の提出期限が過ぎてしまっている場合

答弁書の提出期限がすでに過ぎている場合でも、第1回口頭弁論の期日までに答弁書を提出できれば、間に合う場合があります。

期限を過ぎているからといって諦めず、直ちに弁護士に連絡してください。

第1回口頭弁論の期日も過ぎてしまっている場合

第1回口頭弁論の期日も過ぎてしまっている場合は、すでに欠席判決が出されている可能性があります。

ただし、判決送達から2週間以内であれば控訴できます。
判決がまだ届いていない場合は、まだ判決が出ていない可能性もあります。

いずれの場合も、直ちに弁護士に連絡してください。

5. 訴状に書かれている請求額をそのまま認める必要はない

訴状の請求額は権利者側の主張額

訴状に記載されている請求額は、権利者側が「これだけ払え」と主張している金額です。

この金額は、裁判所が認めた金額ではありません。
裁判所はこれから審理を行い、適正な金額を認定します。

答弁書を出して争えば、大幅に減額されることがある

答弁書を提出し、著作権法第114条に基づく反論を行えば、裁判所が認定する損害賠償金額は権利者側の請求額を大幅に下回ることがあります。

当事務所では、著作権法第114条に基づき、作品の正規価格、ダウンロード回数、アップロードによる拡散可能性(共有比率や経過日数等)を踏まえた具体的な反論を行っています。
その結果、これまで取り扱った案件ではいずれも当事務所の主張する計算方法が裁判所に採用され、数万円から十数万円程度にまで減額された解決に至っています。

もっとも、こうした反論が裁判所に採用されるかは、主張立証の具体性と精度に左右されます。

訴状を見て金額に動揺しても、それが確定額ではない

訴状に「44万円」「88万円」と書かれていても、それは権利者側の主張にすぎません。
答弁書を出して争えば、裁判所が適正な金額を認定します。

訴状の金額に動揺して「もう終わりだ」と諦める必要はありません。

6. 訴訟が提起されても日常生活に大きな影響はない

弁護士に依頼すれば裁判所に行かなくてよい

弁護士に依頼すれば、期日への出頭はすべて弁護士が行います。

依頼者が裁判所に行く必要は基本的になく、仕事や生活を変える必要はありません。

裁判は月1回程度の期日で進む

裁判は、月1回程度の期日で進みます。

各期日の間に弁護士が準備書面を作成し、証拠を整理します。
依頼者は、弁護士からの連絡に対応し、必要な情報を提供するだけです。

裁判の途中で和解が成立すれば早期に終わる

裁判の途中で、裁判所が和解案を提示することがあります。

裁判上の和解は、裁判所の見通しに基づいた金額で提案されるため、権利者側の提示額よりも低くなることが多いです。

和解に応じるかどうかは、弁護士と相談して依頼者が判断します。

7. 自分で答弁書を書こうとしない

弁護士なしの答弁書では減額が得られにくい

「弁護士に依頼する時間がないから、自分で答弁書を書いて出そう」と考える方がいます。

しかし、著作権法第114条の計算式に基づく反論を適切に組み立てなければ、裁判所は権利者側の主張を認定する可能性が高いです。

「請求棄却を求める」とだけ書いた答弁書を出せば欠席判決は避けられますが、その後の準備書面で具体的な反論ができなければ、結果は大きく変わりません。

弁護士に依頼する時間がないと思っても相談だけはする

答弁書の提出期限まで数日しかない場合でも、弁護士に電話すれば対応の可否を確認できます。

弁護士が受任すれば、短期間でも答弁書を作成して提出することは可能です。

「時間がない」と思い込んで自分で対応するよりも、弁護士に電話する方が結果は良くなります。

8. これまで放置していた場合

放置していたことは今から取り返せる

意見照会書や損害賠償請求書を放置していた方が、訴状が届いて初めて事態の深刻さに気づくことがあります。

これまで放置していたこと自体は、損害額の算定に影響しません。
今から弁護士に依頼して答弁書を提出すれば、裁判の中で損害額を争うことができます。

これまでの放置を後悔するよりも、今から動く

「もっと早く対応すればよかった」と後悔しても、過去は変えられません。

訴状が届いた今この瞬間が、対応を始める最後のタイミングです。
答弁書の提出期限が過ぎれば、欠席判決という取り返しのつかない結果になりかねません。

9. 刑事告訴への対応

訴訟が提起された段階でも、刑事告訴の回避交渉は並行して行えます。

当事務所では、権利者側に対し刑事告訴を行わないよう交渉する方針を一貫してとっており、介入後に刑事事件として立件された案件は一度もありません。

まとめ

トレントの著作権侵害で裁判所から訴状が届いた場合、これまでの書面とは緊急度が全く異なります。

訴状が届いたら、答弁書の提出期限と第1回口頭弁論の期日を直ちに確認してください。
答弁書を提出しなければ、欠席判決で権利者側の請求額がそのまま認容されるリスクがあります。
訴状に書かれている金額は権利者側の主張額であり、裁判所が認めた金額ではありません。
答弁書を出して争えば、損害賠償金額は大幅に減額される可能性があります。
弁護士に依頼すれば、答弁書の作成から期日出頭まですべて対応してもらえます。
答弁書の提出期限が過ぎていても、第1回口頭弁論の期日前であれば間に合う場合があります。
これまで放置していた場合でも、今から弁護士に依頼して対応を始めることは可能です。

訴状が届いたら、直ちに弁護士に電話してください。

よくある質問

訴状が届きました。すぐに何かしなければなりませんか。
はい。答弁書の提出期限と第1回口頭弁論の期日を直ちに確認し、弁護士に連絡してください。これまでの書面とは緊急度が全く異なります。

答弁書を出さないとどうなりますか。
欠席判決で権利者側の請求額がそのまま認容されるおそれがあります。弁護士が対応していれば数万円で済んだかもしれない損害賠償金額が、数十万円のまま確定してしまうことがあります。

答弁書の提出期限が過ぎてしまいました。もう手遅れですか。
第1回口頭弁論の期日前であれば、まだ間に合う場合があります。直ちに弁護士に連絡してください。

訴状の金額を見て絶望しています。本当にこの金額を払うのですか。
訴状に書かれている金額は権利者側の主張額であり、裁判所が認めた金額ではありません。答弁書を出して争えば、大幅に減額される可能性があります。

これまで書面を放置していました。今からでも間に合いますか。
訴状が届いている以上、答弁書の提出期限内に対応すれば間に合います。これまでの放置を後悔するよりも、今すぐ弁護士に電話してください。

お問い合わせ
あいち岡崎法律事務所
〒444-0864 愛知県岡崎市明大寺町字的場13-1 My Station Okazaki East 601
0564-73-3487
050-3172-6485
平日9:00〜17:00
名鉄東岡崎駅南口徒歩30秒

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次