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トレントの示談金が払えない場合はどうすればよいのか|高額の請求に対する現実的な選択肢

トレントの著作権侵害で権利者側から示談金を請求されたが、提示された金額が高すぎて払えない。44万円、88万円、あるいはそれ以上の金額を請求されて、「払いたくても払えない」「貯金がない」「分割でも厳しい」と追い詰められている方へ。示談金が払えない場合に取り得る選択肢を解説します。

「払えない」は珍しいことではない

権利者側から提示される示談金は、1作品44万円、包括和解88万円といった金額になることがあります。
複数社から請求が来れば合計は100万円を超えることもあります。

この金額を見て、「払えない」と感じる方は少なくありません。
特に、若年層の方や、複数社からの請求が重なった方にとっては、深刻な問題です。

しかし、「払えないからどうしようもない」ということではありません。
払えない場合にも、取り得る選択肢があります。

1. そもそも、提示された金額をそのまま払う必要があるのか

提示額は裁判所が認める金額ではない

最も重要な点は、権利者側が提示している金額は、法律で決まった金額でも、裁判所が認めた金額でもないということです。

権利者側が独自に設定した請求額にすぎません。

裁判で争った場合、著作権法第114条に基づいて算定される損害賠償金額は、提示額と大きな開きがあることがあります。

裁判で争えば大幅に下がることがある

当事務所では、著作権法第114条に基づき、作品の正規価格、ダウンロード回数、アップロードによる拡散可能性(共有比率や経過日数等)を踏まえた具体的な反論を行っています。
その結果、これまで取り扱った案件ではいずれも当事務所の主張する計算方法が裁判所に採用され、数万円から十数万円程度にまで減額された解決に至っています。

もっとも、こうした反論が裁判所に採用されるかは、主張立証の具体性と精度に左右されます。

「払えない金額」ではなく「払う必要のない金額」かもしれない

44万円や88万円が「払えない」と感じている場合、そもそもその金額を払う必要がない可能性があります。

裁判で争った場合に認められる損害賠償金額が数万円から十数万円程度であれば、提示額の半分以下、場合によっては10分の1以下です。

「払えない」と悩む前に、「そもそもこの金額を払うべきなのか」を弁護士に確認することが先です。

2. 示談金が払えない場合の選択肢

裁判で争って適正な損害額で解決する

提示額が払えないのであれば、裁判で争い、裁判所に適正な損害賠償金額を認定してもらうという選択肢があります。

裁判で認められる金額が数万円から十数万円程度であれば、提示額をそのまま払えなくても、裁判所が認定した金額であれば支払えるということがあり得ます。

弁護士費用を含めた総額が提示額を下回るかどうかが、この選択肢を検討するうえでの判断材料になります。

利用者側から債務不存在確認訴訟を提起する

権利者側の請求を待つだけでなく、利用者側から先に「債務不存在確認訴訟」を提起するという選択肢もあります。

「権利者が主張する金額のうち、〇〇円を超える部分は債務が存在しない」ということを裁判所に確認してもらう訴訟です。

弁護士を窓口にして対応方針を検討する

「払えない」からといって放置するのは危険です。
放置すれば、権利者側が訴訟を提起する可能性があり、欠席判決で提示額がそのまま認容されるおそれがあります。

弁護士に依頼して連絡窓口を切り替え、対応方針を検討することが、「払えない」状況における最も現実的な第一歩です。

3. 「払えない」場合にやってはいけないこと

放置する

払えないからといって書面を無視し続けると、権利者側のペースで手続が進みます。

訴訟が提起されて欠席判決が出れば、権利者側の請求額がそのまま認容されます。
その後、給与差押えなどの強制執行に至れば、勤務先にも知られることになります。

払えないからこそ、放置ではなく、弁護士に相談して対応する必要があります。

焦って借金して払う

提示額が高額だからといって、消費者金融やカードローンで借金して支払うことは推奨しません。

提示額が裁判で認められる金額と大幅に異なる可能性がある以上、本来払う必要のない金額のために借金をすることになりかねません。

権利者側に「払えない」と自分で連絡する

「払えないので減額してほしい」と自分で権利者側に連絡することは避けてください。

権利者側の代理人の中には個別の条件交渉に応じない事務所があり、連絡しても金額が動かないことがあります。
しかも、連絡の際に不用意な発言をしてしまうリスクがあります。

4. 弁護士費用も払えない場合

法テラスの利用

収入や資産が一定の基準以下であれば、法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助制度を利用できる場合があります。

弁護士費用の立替払いを受けることができ、月額数千円程度の分割で返済することが可能です。

弁護士費用と提示額の比較

弁護士費用を払う余裕がないと感じる場合でも、提示額と弁護士費用を比較して検討してください。

たとえば、提示額が88万円で、裁判で争えば数万円から十数万円程度に下がる見込みがあるのであれば、弁護士費用を含めても88万円を大幅に下回る可能性があります。

弁護士費用を払うことで、結果として支払総額が大きく下がるということがあり得ます。

5. 複数社からの請求で合計が膨れ上がっている場合

各社に言い値で応じる必要はない

複数社から請求が来て合計が100万円を超えている場合でも、各社の提示額をそのまま受け入れる必要はありません。

各社の請求について、裁判で争った場合の損害賠償金額を個別に検証し、全体の見通しを立てたうえで対応方針を決めることが重要です。

全体をまとめて対応する

1社ずつ別の弁護士に依頼するのではなく、複数社の請求をまとめて1つの弁護士事務所に依頼する方が、全体の負担を抑えやすくなります。

当事務所では、何社から請求が来ても、何件訴訟になっても上限が定まっている料金体系を採用しています。

6. 刑事告訴のリスクについて

「払えないから放置したら刑事告訴されるのではないか」と不安になる方がいます。

当事務所では、権利者側に対し刑事告訴を行わないよう交渉する方針を一貫してとっており、介入後に刑事事件として立件された案件は一度もありません。

「払えない」状況であっても、弁護士が介入して対応することで、刑事告訴のリスクを管理できます。

まとめ

トレントの示談金が払えない場合でも、取り得る選択肢はあります。

提示された金額は権利者側が設定した請求額であり、裁判所が認める損害賠償金額ではありません。
裁判で争えば、数万円から十数万円程度にまで減額される可能性があります。
「払えない金額」ではなく、「そもそも払う必要のない金額」かもしれません。
払えないからといって放置すると、欠席判決や給与差押えのリスクがあります。
弁護士費用の支払いが困難な場合は、法テラスの民事法律扶助制度を利用できる場合があります。

「払えない」と悩んでいる場合こそ、弁護士に相談して、提示額が適正かどうかを確認することが重要です。

お問い合わせ
あいち岡崎法律事務所
〒444-0864 愛知県岡崎市明大寺町字的場13-1 My Station Okazaki East 601
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