トレントを使った覚えが全くないのに書面が届いた|身に覚えがない場合の原因と対応

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トレントを使った覚えが全くないのに書面が届いた|身に覚えがない場合の原因と対応

トレントの著作権侵害に関する書面が届いたが、自分はトレントを使ったことがない。家族に聞いても誰も覚えがない。「なぜ自分に届いたのか」「詐欺ではないのか」「何かの間違いではないか」。身に覚えがないのに書面が届いた場合に考えられる原因と、とるべき対応を解説します。

まずは書面が本物かどうかを確認する

身に覚えがない書面が届いた場合、最初に確認すべきなのは、その書面が本物かどうかです。

プロバイダの名前で届いた意見照会書は、本物である可能性が極めて高いです。
弁護士の名前で届いた書面は、日本弁護士連合会の弁護士検索で実在を確認してください。
裁判所からの特別送達は、本物と考えるべきです。

書面が本物であることが確認できた場合、「詐欺だから無視してよい」とは言えなくなります。
身に覚えがなくても、対応が必要です。

1. 身に覚えがないのに書面が届く原因

家族や同居人がトレントを利用していた

最も多い原因は、自宅のWi-Fiを共有している家族や同居人がトレントを利用していた場合です。

開示請求はインターネット回線の契約者に対して行われるため、実際にトレントを使ったのが家族であっても、書面は契約者に届きます。

配偶者、子供、兄弟、同居の友人など、自宅のWi-Fiに接続できる人がいれば、その人が利用していた可能性があります。

特に未成年の子供が利用していたケースは珍しくありません。

来客や一時的な利用者がWi-Fiを使った

自宅のWi-Fiパスワードを来客に教えたことがある場合、その来客がトレントを利用した可能性があります。

一度パスワードを共有すれば、その後も接続できる状態が続きます。

Wi-Fiの不正利用(ただ乗り)

自宅のWi-Fiのセキュリティ設定が不十分な場合、近隣の第三者がWi-Fiに無断で接続してトレントを利用した可能性があります。

古いルーターや、暗号化方式がWEPのまま更新されていないルーターは、不正接続のリスクが高いです。

ただし、Wi-Fiの不正利用を主張する場合、その事実を具体的に裏付ける必要があります。
「不正利用されたかもしれない」という抽象的な主張だけでは、反論として認められにくいです。

過去の住人の利用

引っ越してきた後に、前の住人が使っていたインターネット回線をそのまま引き継いだ場合、前の住人が利用していた当時のIPアドレスが記録されている可能性があります。

ただし、プロバイダの契約名義が前の住人から自分に変わっていれば、IPアドレスの割当記録も契約者の切り替え時点で分かれるため、前の住人の利用と自分の契約が混同されることは通常ありません。

IPアドレスの記録の誤り

権利者側の監視ツールが記録したIPアドレスと、プロバイダの割当記録との間にずれがある可能性はゼロではありません。

タイムスタンプの誤差、IPアドレスの動的割当のタイミング、NAT(ネットワークアドレス変換)の影響などにより、IPアドレスが正確に対応しない場合があり得ます。

ただし、この可能性を主張するには技術的な根拠が必要です。

本当にトレントを使ったことがない場合

上記のいずれにも該当せず、自分も家族も同居人も来客も誰もトレントを使ったことがない場合、IPアドレスの記録や割当記録に何らかの誤りがある可能性を含めて、弁護士に相談して調査する必要があります。

2. 身に覚えがない場合にすべきこと

書面を放置しない

「身に覚えがないから無視してよい」とは限りません。

書面が本物であれば、放置すると権利者側の手続が進みます。
訴訟を提起されて欠席判決が出れば、身に覚えがなくても請求額がそのまま認容されるおそれがあります。

身に覚えがないからこそ、適切に対応する必要があります。

家族や同居人に確認する

自宅のWi-Fiを共有している家族や同居人に、トレントの利用の有無を確認してください。

特に、未成年の子供や、パソコンに詳しい家族には、直接確認してください。

トレントの利用を認めない可能性もあるため、「こういう書面が届いた」と事実を見せたうえで確認する方が確実です。

Wi-Fiの接続履歴を確認する

ルーターの管理画面にログインすれば、接続している(または過去に接続した)端末の一覧を確認できることがあります。

見覚えのない端末が接続されていれば、Wi-Fiの不正利用の手がかりになります。

Wi-Fiのセキュリティを強化する

暗号化方式がWPA2またはWPA3になっているか確認してください。
WEPのままであれば直ちに変更してください。
パスワードを変更し、来客に教えたパスワードを無効化してください。

弁護士に相談する

身に覚えがない場合こそ、弁護士に相談して対応方針を検討すべきです。

弁護士に相談すれば、次のことが分かります。

書面の内容が法的にどういう意味を持つのか。
身に覚えがない場合にどのような反論が可能か。
意見照会書に不同意で回答すべきかどうか。
今後の見通し。

3. 意見照会書に対する回答

身に覚えがなければ不同意で回答する合理性がある

プロバイダからの意見照会書に対しては、同意か不同意かを回答する必要があります。

本人も家族も同居人もトレントを利用した覚えがない場合は、「不同意」で回答する合理性があります。

この場合、単に「不同意」にチェックするだけでなく、なぜ同意しないのかを具体的に記載する必要があります。

不同意の理由の記載

不同意の理由としては、たとえば次のような記載が考えられます。

契約者本人および同居の家族はトレントを利用した事実がないこと。
対象の通信を行った覚えがないこと。
Wi-Fiの不正利用の可能性が否定できないこと(具体的な根拠があれば記載する)。

不同意でも開示されることがある

不同意で回答しても、権利者側が裁判所に開示命令を申し立てれば、裁判所の判断で開示が認められることがあります。

不同意で回答した結果、開示が認められた場合は、開示手続にかかった弁護士費用(10万円から数十万円程度)が損害賠償に上乗せされるリスクがあります。

ただし、本当に身に覚えがない場合は、不同意で回答する合理性があるため、この選択が不当に不利に扱われることは通常ありません。

4. 開示された後に「自分ではない」と争えるか

回線の契約者=利用者であるとの推定

開示請求はIPアドレスの割当記録に基づいて行われるため、IPアドレスが割り当てられていた回線の契約者が特定されます。

権利者側は、「この回線の契約者が利用者である」と推定して損害賠償を請求してきます。

「自分ではない」という反論の可能性

裁判で、「自分は利用していない」「家族の誰かが利用した可能性がある」「Wi-Fiが不正利用された可能性がある」という反論を行うことは可能です。

ただし、「自分ではない」と言うだけでは不十分であり、具体的な根拠を示す必要があります。

たとえば、対象の通信が行われた日時に自宅にいなかったことを示す証拠(出張記録、旅行の記録等)があれば、反論の根拠になり得ます。

弁護士による対応が不可欠

「自分ではない」という反論を裁判で認めてもらうためには、法的に意味のある形で主張と証拠を組み立てる必要があります。

弁護士なしでこの反論を行うのは困難です。

5. 身に覚えがないが家族の利用が判明した場合

家族に確認した結果、家族の利用が判明した場合

家族に確認したところ、配偶者や子供がトレントを利用していたことが判明することがあります。

この場合、「身に覚えがない」という反論は使えなくなりますが、損害額の主張立証は同じように行えます。

当事務所では、著作権法第114条に基づき、作品の正規価格、ダウンロード回数、アップロードによる拡散可能性(共有比率や経過日数等)を踏まえた具体的な反論を行っています。
その結果、これまで取り扱った案件ではいずれも当事務所の主張する計算方法が裁判所に採用され、数万円から十数万円程度にまで減額された解決に至っています。

もっとも、こうした反論が裁判所に採用されるかは、主張立証の具体性と精度に左右されます。

家族が認めない場合

家族に確認しても誰も認めない場合は、「契約者として書面が届いているが、利用者は特定できない」という状況になります。

この場合の対応方針は、弁護士と相談して検討する必要があります。

6. 刑事告訴への対応

当事務所では、権利者側に対し刑事告訴を行わないよう交渉する方針を一貫してとっており、介入後に刑事事件として立件された案件は一度もありません。

身に覚えがない場合であっても、刑事告訴の可能性がゼロとは言い切れないため、弁護士を通じて対応することが重要です。

まとめ

トレントを使った覚えが全くないのに書面が届いた場合でも、放置は危険です。

書面が本物かどうかを確認してください。
家族や同居人にトレントの利用を確認してください。
Wi-Fiの接続履歴を確認し、セキュリティを強化してください。
身に覚えがなければ意見照会書に不同意で回答する合理性がありますが、具体的な理由を記載する必要があります。
「自分ではない」と裁判で争うためには、具体的な根拠と弁護士による対応が必要です。
家族の利用が判明した場合でも、損害額の主張立証は行えます。

身に覚えがないからこそ、弁護士に相談して適切に対応してください。

よくある質問

身に覚えがないのに書面が届きました。詐欺ですか。
プロバイダからの意見照会書や弁護士名義の書面は本物である可能性が高いです。日本弁護士連合会の弁護士検索で実在を確認してください。本物であれば、身に覚えがなくても対応が必要です。

家族に確認しましたが誰も覚えがありません。
Wi-Fiの不正利用、来客の利用、IPアドレスの記録の誤りなど、複数の可能性があります。弁護士に相談して、考えられる原因を整理してください。

身に覚えがなければ無視してよいですか。
無視してはいけません。放置すれば訴訟を提起され、欠席判決で請求額がそのまま認容されるおそれがあります。身に覚えがないからこそ、適切に対応する必要があります。

Wi-Fiが不正利用されたかもしれません。どうすればよいですか。
ルーターの接続履歴を確認し、見覚えのない端末がないか確認してください。暗号化方式をWPA2またはWPA3に設定し、パスワードを変更してください。不正利用の証拠があれば、弁護士に相談して反論に活用できます。

身に覚えがなくても損害賠償を払わなければなりませんか。
「自分は利用していない」と裁判で争うことは可能です。ただし、具体的な根拠を示す必要があり、弁護士による対応が不可欠です。

お問い合わせ
あいち岡崎法律事務所
〒444-0864 愛知県岡崎市明大寺町字的場13-1 My Station Okazaki East 601
0564-73-3487
050-3172-6485
平日9:00〜17:00
名鉄東岡崎駅南口徒歩30秒

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