トレントでダウンロードしてしまった|まだ書面は届いていないが今すぐやるべきことと今後の見通し
トレントでファイルをダウンロードしてしまった。後からインターネットで調べたら、著作権侵害になること、損害賠償を請求されること、刑事罰の対象になり得ることを知った。まだプロバイダからも権利者側からも何も届いていないが、今後どうなるのか不安でたまらない。まだ書面が届いていない段階で知っておくべきことと、今すぐやるべきことを解説します。
まだ何も届いていなくても不安になるのは当然
トレントでファイルをダウンロードした後、「トレント バレる」「トレント 逮捕」「トレント ip特定」といったキーワードで検索し、初めて事態の深刻さに気づく方がいます。
まだ何も届いていない段階で不安になるのは、むしろ正常な反応です。
結論から言えば、まだ書面が届いていない段階であれば、今後に備えてできることがあります。
そして、仮に書面が届いたとしても、適切に対応すれば解決できます。
1. まだ書面が届いていない理由
書面が届くまでには時間がかかる
権利者側がトレントの利用者に損害賠償を請求するまでには、複数の段階があります。
権利者側の監視システムがIPアドレスを記録する。
権利者側がプロバイダに発信者情報の開示を請求する。
プロバイダが契約者に意見照会書を送付する。
開示が行われた後、権利者側が損害賠償を請求する。
このプロセスには数か月から1年以上かかることがあります。
まだ届いていないのは、手続がまだ進行中か、そもそも開示請求がなされていないかのどちらかです。
必ず届くとは限らない
トレントでダウンロードした作品のすべてについて、権利者側がIPアドレスを記録しているとは限りません。
監視システムを運用していない制作会社の作品であれば、IPアドレスは記録されていません。
記録されていなければ、開示請求もなされず、書面が届くこともありません。
また、プロバイダのログ保存期間が経過していれば、権利者側が開示請求を行っても契約者を特定できなくなります。
つまり、届かない可能性もある
まだ届いていないということは、今後届く可能性もあれば、このまま届かない可能性もあるということです。
ただし、「届かないだろう」と楽観的に考えて何もしないのは危険です。
2. 今すぐやるべきこと
トレントの利用を直ちに停止する
まだトレントのクライアントソフトを使っている場合は、直ちに利用を停止してください。
自動起動設定になっている場合は、設定を解除するか、ソフトをアンインストールしてください。
トレントのソフトが起動している間は、ダウンロード済みのファイルが他の利用者にアップロードされ続けます。
利用を続ければ、送信可能な状態にしている期間が延び、損害賠償金額が増える可能性があります。
また、新たな作品をダウンロードすれば、請求対象の作品数が増えます。
利用を停止することが、まず最初にすべきことです。
トレント関連のデータを削除しない
不安から、ダウンロードしたファイルやトレントのソフトを急いで削除したくなるかもしれません。
しかし、今の段階ではデータを削除しないでください。
自分の利用状況を確認できるデータは、今後書面が届いた場合に、損害額の主張立証に役立つことがあります。
トレントの利用を停止することと、データを削除することは別です。
ソフトの起動を止め、自動起動を解除すれば、アップロードは止まります。
データはそのまま残しておいてください。
利用状況を整理しておく
記憶が新しいうちに、次の情報を整理しておいてください。
いつ頃からいつ頃までトレントを利用していたか。
どのような作品をダウンロードしていたか(ジャンル、おおよその数)。
トレントのソフトを起動していた時間帯や頻度。
自動起動設定にしていたかどうか。
今後書面が届いた場合に、この情報が対応方針の検討に必要になります。
時間が経つと記憶は曖昧になるため、今のうちに整理しておくことが重要です。
3. 今後何が起きる可能性があるか
意見照会書が届く
プロバイダから「発信者情報開示に係る意見照会書」が届く可能性があります。
これは、権利者側からの開示請求に対して、契約者に「開示に同意するかどうか」を確認するための書面です。
届いた場合は、弁護士に相談して同意・不同意の判断と回答書の内容を検討してください。
意見照会書なしに開示命令の通知書が届く
ソフトバンクなど一部のプロバイダでは、意見照会書を送付せずに手続を進め、開示命令が出た段階で初めて通知書を送ってくることがあります。
権利者側から損害賠償請求の書面が届く
開示が行われた後、権利者側の代理人弁護士から損害賠償請求の書面が届きます。
何も届かないまま終わる
権利者側がIPアドレスを記録していなかった場合や、プロバイダのログ保存期間が経過した場合は、何も届かないまま終わることもあります。
4. 書面が届いた場合の見通し
提示額は裁判所が認める金額ではない
書面が届いた場合、権利者側から示談金を提示されます。
しかし、この金額は権利者側が独自に設定した請求額であり、裁判所が認める損害賠償金額ではありません。
裁判で争った場合、損害賠償金額は権利者側の提示額を大幅に下回ることがあります。
当事務所では、著作権法第114条に基づき、作品の正規価格、ダウンロード回数、アップロードによる拡散可能性(共有比率や経過日数等)を踏まえた具体的な反論を行っています。
その結果、これまで取り扱った案件ではいずれも当事務所の主張する計算方法が裁判所に採用され、数万円から十数万円程度にまで減額された解決に至っています。
もっとも、こうした反論が裁判所に採用されるかは、主張立証の具体性と精度に左右されます。
刑事告訴のリスク
書面には「刑事告訴する」と記載されていることがありますが、実際に刑事告訴に踏み切るケースはそれほど多くありません。
当事務所では、権利者側に対し刑事告訴を行わないよう交渉する方針を一貫してとっており、介入後に刑事事件として立件された案件は一度もありません。
5. 今の段階で弁護士に相談すべきか
書面が届く前でも相談は可能
まだ書面が届いていない段階でも、弁護士に相談することは可能です。
利用状況を整理したうえで相談すれば、今後書面が届いた場合の見通しや、対応方針の方向性について助言を受けることができます。
書面が届いてからでも遅くはない
一方、書面が届いていない段階では、権利者側がどの作品について開示請求を行っているかが分からないため、具体的な対応方針を決めることはできません。
書面が届いてから弁護士に相談しても、対応は十分に可能です。
届いた場合に慌てず行動できるよう、今の段階では利用状況の整理とトレントの停止を行っておくことが最も有効な準備です。
書面が届いたらすぐに弁護士に相談する
書面が届いたら、内容を確認し、できるだけ早く弁護士に相談してください。
弁護士に依頼すれば、以後の連絡窓口が弁護士になり、自宅に書面が届くリスクを減らせます。
提示された金額が適正かどうかを検証し、対応方針を判断できます。
まとめ
トレントでダウンロードしてしまったことに気づいた段階で、今すぐやるべきことがあります。
トレントの利用を直ちに停止してください。自動起動設定も解除してください。
データは削除しないでください。今後の対応に必要になることがあります。
利用状況(時期、作品数、頻度等)を記憶が新しいうちに整理しておいてください。
まだ書面が届いていない段階では、今後届く可能性もあれば、届かない可能性もあります。
書面が届いた場合でも、適切に対応すれば解決できます。
権利者側の提示額は裁判所が認める金額ではなく、裁判で争えば大幅に減額される可能性があります。
不安なまま何もしないのではなく、できる準備をしておくことが、今の段階での最善の対応です。
よくある質問
トレントでダウンロードしてしまいました。バレますか。
トレントは利用者のIPアドレスがネットワーク上で公開される仕組みです。権利者側が監視システムでIPアドレスを記録していれば、プロバイダへの開示請求を通じて契約者が特定されます。ただし、すべての作品について記録されているとは限りません。
まだ何も届いていませんが、今後届きますか。
届く可能性もあれば、届かない可能性もあります。監視の有無、開示請求の有無、プロバイダのログ保存期間などの条件によります。
トレントのソフトをすぐにアンインストールすべきですか。
利用を停止することは直ちに行うべきです。ただし、ダウンロードしたデータは削除しないでください。利用状況を確認できるデータは今後の対応に役立つことがあります。
書面が届く前に弁護士に相談すべきですか。
相談は可能ですが、書面が届いていない段階では具体的な対応方針を決めることはできません。利用状況の整理とトレントの停止を行い、書面が届いたらすぐに相談する、という流れが現実的です。
書面が届いたらいくら請求されますか。
権利者や代理人事務所によって異なりますが、提示される金額は権利者側が設定した請求額であり、裁判所が認める金額ではありません。当事務所では、著作権法第114条に基づく主張立証を行い、これまで取り扱った案件ではいずれも数万円から十数万円程度にまで減額された解決に至っています。
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