不安をあおって早期示談を急がせる方針はとりません
トレント開示請求では、「裁判になる」「逮捕される」「早く示談すれば安心」といった説明を見て、不安になる方が少なくありません。
しかし、発信者情報の開示、損害賠償、示談、刑事告訴、逮捕は、それぞれ別の問題です。
当事務所では、届いている書類、事実関係、相手方の請求内容、裁判で争った場合の見通し、刑事リスク、弁護士費用を分けて整理します。
不安を軽く見ることはしません。
一方で、不安をあおって、金額の妥当性を検討しないまま早期示談を急がせる方針もとりません。
「示談金の相場」と裁判所が認める損害額は別です
トレントの著作権侵害について弁護士を探すと、「示談金の相場は〇〇万円」「相場の範囲内で示談を成立させます」といった説明を見かけることがあります。
しかし、そこでいう「相場」は、権利者側が提示している請求額を前提にしたものにすぎない場合があります。
裁判所が損害額として認定する金額と、権利者側が示談段階で提示する金額は、同じではありません。
権利者側の提示額は、法律で一律に決まった金額ではありません。
事案の内容、対象作品、利用期間、送信可能化の状況、証拠関係、著作権法第114条に基づく損害額の算定方法によって、争う余地がある場合があります。
当事務所では、権利者側の提示額を当然の前提とはしません。
まず、裁判で争った場合に、どのような損害額が認定され得るかを検討します。
「減額交渉」だけを前提にしません
弁護士に依頼すれば、示談金を減額交渉できると説明されることがあります。
しかし、権利者側が個別の条件交渉に応じるとは限りません。
弁護士が交渉しても、提示額がほとんど動かないこともあります。
その場合、問題は「少しでも減額できるか」だけではありません。
提示された金額を支払うべきか。
裁判で争った方がよいか。
裁判に進んだ場合の費用、時間、精神的負担はどの程度か。
刑事告訴の予告がある場合に、民事上の金額交渉と刑事リスクへの対応をどう分けるか。
これらを整理する必要があります。
当事務所では、「減額交渉ができるはず」という前提だけで方針を決めません。
交渉で金額が動かない場合には、裁判で争う選択肢も含めて検討します。
裁判で争う場合の損害額を具体的に検討します
権利者側が数十万円単位の支払いを求めている場合でも、裁判所がその金額をそのまま認めるとは限りません。
著作権侵害による損害額は、著作権法第114条などに基づいて検討されます。
トレント事案では、単に請求書に書かれた金額を見るだけではなく、損害額の計算方法そのものを検討する必要があります。
当事務所では、次のような観点から、損害額の主張立証を検討します。
作品の正規価格。
物理メディア価格ではなく、デジタル配信価格を基準にすべきか。
対象期間中に実際にどの程度送信可能な状態にあったのか。
全期間のダウンロード回数を当然に前提としてよいのか。
共有比率、経過日数、送信可能化の範囲をどう評価するか。
販売価格ではなく利益額を基準にすべきではないか。
調査費用や弁護士費用まで全額負担すべきか。
これらの点を具体的に主張立証することで、権利者側の提示額より低い金額で解決できる可能性があります。
ただし、裁判になれば自動的に減額されるわけではありません。
事案の内容、証拠関係、主張立証の具体性によって結論は変わります。
刑事告訴の予告と損害額の妥当性は分けて考えます
権利者側の書面に、「支払わなければ刑事告訴を検討する」といった記載があることがあります。
このような記載を見ると、不安になるのは当然です。
刑事リスクを軽く見るべきではありません。
しかし、刑事告訴される可能性と、民事上いくら支払うべきかは、別の問題です。
刑事告訴の予告があるからといって、損害額の妥当性を検討しないまま、提示額をそのまま支払うべきとは限りません。
当事務所では、刑事リスクへの対応と、民事上の損害額の検討を分けて整理します。
必要に応じて、権利者側に対し、刑事告訴を行わないよう求める交渉も行います。
もっとも、刑事事件化の有無は、権利者側の対応、事案の内容、捜査機関の判断にも左右されます。
当事務所が将来の結果を保証するものではありません。
裁判で争う選択肢を最初から外しません
トレント開示請求では、「早く終わらせたい」という気持ちが強くなりやすいです。
その気持ちは自然です。
しかし、早く終わることと、適正な解決になることは同じではありません。
提示額が高額である場合、交渉で金額が動かない場合、損害額の計算に争う余地がある場合には、裁判で争うことが合理的な選択肢になることがあります。
一方で、事案によっては、早期に示談した方がよい場合もあります。
作品数が多い場合、利用期間が長い場合、秘匿性を重視する場合、精神的負担を早く終わらせたい場合、刑事告訴リスクを特に重く見るべき場合などです。
当事務所では、「必ず示談」でも「必ず裁判」でもなく、事案ごとに方針を検討します。
重要なのは、示談、裁判、刑事リスク、弁護士費用、時間、精神的負担を分けて比較することです。
複数の権利者から請求が来る場合も、全体の見通しを立てます
トレントの事案では、複数の権利者から請求が届くことがあります。
1社ごとにその都度対応していると、全体でいくら必要になるのか、どこまで争うべきなのか、どこで示談すべきなのかが見えにくくなります。
当事務所では、複数の請求が想定される場合には、1件ごとの対応だけでなく、全体の見通しを整理します。
何を争うのか。
どの請求について示談を検討するのか。
裁判になった場合の費用と負担はどの程度か。
複数件を通じて、総支払額をどう抑えるか。
このように、1件ごとの場当たり的な対応ではなく、全体として不利になりにくい対応を検討します。
弁護士を探している方へ
トレント開示請求で弁護士を探すときは、次の点を確認することをおすすめします。
示談金の相場だけを前提にしていないか。
裁判で争った場合の見通しを説明しているか。
損害額の計算方法を具体的に検討しているか。
刑事告訴の予告と民事上の損害額を分けて考えているか。
示談、裁判、費用、時間、精神的負担を比較して説明しているか。
弁護士費用を含めた総負担を説明しているか。
当事務所では、ご相談の段階で、届いている書類、事実関係、相手方の請求内容、裁判で争った場合の見通しを確認します。
そのうえで、依頼者ご自身が納得して対応方針を判断できるようにすることを大切にしています。
まずは書類を保管してご相談ください
トレント開示請求では、最初の対応がその後の流れに影響することがあります。
意見照会書、通知書、請求書、封筒、回答期限が分かる書類は、捨てずに保管してください。
また、慌てて相手方に電話をしたり、事実関係を十分確認しないまま回答書を返送したりする前に、一度ご相談ください。
当事務所では、不安をあおって早期示談を急がせるのではなく、事案ごとに、できるだけ損の少ない対応方針を検討します。
